簡易トイレの凝固剤は自作できるの!?【災害時のトイレ対策】

実際に被災すると、「きれいな『トイレ』が欲しい!」と皆さん、思うそうです。

食べ物を食べたら必ずしなければいけないのが排便。水道が使えなくなり、配水管が壊れて汚物が流せなくなると、避難所の学校や公民館のトイレはすぐに汚物であふれます。すると、建物全域に臭いが充満し、館内はどんよりとした空気に覆われます。汚物をそのままにしているとトイレができないので、流れない汚物をバケツに入れてどこかへ捨てに行かなければいけません。

やっと仮設トイレが設置されても、男女一緒のトイレを大勢で使用するので、すぐに足元はとびちった尿で水びだしに。そのうえを靴やスリッパで踏んでいくので足元は汚くなってしまいます。相変わらず水は出ないので、仮設トイレの掃除もできず、しだいに被災者の方はこう思うそうです。

 

「ごはんや水を我慢してトイレにいくのを控えよう……」

 

汚物の臭いのこもった館内で、配給の食事もとらずにじっとしている日々……。これでは体調を崩さないほうがおかしいですよね。

被災現場ではちょっとした病気も命とり。最悪の状況を防ぐためにも、個人個人で簡易トイレを用意しておきたいものです。

今回は、簡易トイレと切り離すことのできない『凝固剤』についてまとめてみたいと思います。

〇そもそも凝固剤なしでレジ袋だけでトイレできない?


 

市販されている簡易トイレはダンボールでできている便器にポリ袋をかぶせて用を足し、上から凝固剤をふりかけるというのが一般的です。

凝固剤とポリ袋のセット価格は大体1個50~100円ほど。「ポリ袋はレジ袋で代用できそうだし、凝固剤を1回1回使っていたらもったいないから、用を足したらすぐにレジ袋の口を縛って捨てたらいいんじゃない?」と考える人もいのではないでしょうか。

実際に、登山向けの記事・『初心者のための登山とキャンプ入門』

https://www.camp-outdoor.com/diary/180831_emergency_toilet.shtml

に、トイレが使えないときの『レジ袋トイレ』の仕方が紹介されていました。

以下、レジ袋トイレのやり方を引用します。

 

1 スーパーのレジ袋を二重にする。サイズは体の横幅くらいあるとベスト。大きすぎるとかさばってジャマ。

 

2 レジ袋の中に、使い終わったティッシュや新聞紙、ボロキレなど水分を吸わせるものを少し入れ

ておく。子供用おむつ、介護用おむつ、生理用ナプキン、ペットのトイレシートなどを利用するの

もよし(かさばらないように注意)。

 

3トイレの個室にこもり、足を開くため、ズボンは全部脱ぐ。

イラストのようにレジ袋を前後で持ち、ピッタリ肌にあて、排泄。床に置くよりも、跳ね返り防止の

ため、手で持つのがおすすめ。

 

 

4使い終わったティッシュも入れ、なるべく空気を抜いてぎゅっとしばる。

ジップ付き袋、フタ付バケツなどにまとめて入れておく。

ゴミ回収日に出す。(※多くの市町村では燃えるゴミだと思います。紙オムツを出すのと同じ種類で良いかと)

※ おしっこのみなら、バケツに。ティッシュは混ぜずにごみ袋に。

 

また、下水が一切流せない状況になったときのトイレの方法も引用します。

 

・おしっこのみなら

バケツにする。ためておくか、外に捨てる。

 

・うんちは、以下の方法で行う。

 

1スーパーのレジ袋などを二重にする。

 

2袋の中に、使い終わったティッシュや新聞紙など水分を吸わせるものを少し入れておく。子供用おむつ、介護用おむつ、ペットのトイレシートなど水分を吸うものがあればさらにベスト

 

3トイレの個室にこもり、ビニールの中に排泄。

 

4手で前後に持って中腰でもいいし、和式トイレのように形を整えて床に置き、しゃがんでするのも良い。跳ね返り防止のため、手で持つのがおすすめ。

 

5なるべく空気を抜いてぎゅっとしばる。

 

6ジップ付き袋などにまとめて入れておく。

 

7ごみの日に捨てる

 

この方法なら家にあるもので代用できるので、備えをしていないときにとっさに用を足したいときには十分に使えるテクニックだと思います。

しかし、この方法を紹介してくれた方は、市販の携帯トイレが優れている点をあげ、『臭いを漏らさない機能』の大切さについて語っています。

この方は、夏の大雨でトイレが流れなくなったときに、登山用携帯トイレの実父付きの袋に便を貯めることにしたそうですが、その日の夜にはトイレが使えるようになり、ジップ付き袋はもったいないので再利用しようと考えたそうです。そこで中身のビニールを可燃ごみに移そうとしたそうですが、3回分のうんち&おしっこは生ごみの比ではなく、とてつもなく臭ったのだとか。

 

『子供が3歳くらいの時にはどの家庭でもうんち入りのおむつがあると思いますが、それと臭いは同種です。しかし10倍くらいのハードさです。やはりおむつの凝固剤で水分が固められた上でおむつ本体にぶあつく包まれているのと、直にビニールに入っているのとではだいぶ激しさが違うのでしょうか。もちろん量の問題もあると思います』

 

ジップ付きの服に中身を入れてトイレの個室に置いていても臭いは気にならなかったそうですが、中身を外のごみ箱に捨てた後に、カラになったこの袋を、ジップを開けた状態で玄関に置いておくと、近くを通るだけでものすごい臭いが漂って来たとのこと。

排せつ物の臭いはとにかく強烈なのだそうです。

また、この方はなんとかトイレに袋に入った排せつ物を流せないか格闘したそうですが、その結果を以下のように書かれていました。

 

『排泄物の袋3つは、新聞紙とビニール袋でさらに厳重にくるんで、可燃ごみの中心に埋めてごみの日に出しましたが、臭いので少し申し訳ない気持ちになりました。これがものすごく暑い日だったらどうなるんだろう。町内全員の分であったらどうなんだろう。数日続いたらどうなってしまうんだろう。道路が不通になり、ごみ収集車が遅れる可能性は十分ありますし、大雨が降るのはだいたい暑い夏ですよね。

 

では、排泄物の袋をやぶって中身をトイレに流せば良いかと考えてみると、これは難しいと思いました。おむつの場合、おむつの凝固剤が水分を吸ってくれるので、コロコロうんちならトイレに流して捨てることができました。しかしおしっことうんちの混じったドロドロのものを袋から出してトイレに流すことは厳しそうです。3分の2くらいは捨てられるかもしれないけど、3分の1はビニールに残り、周囲を汚さずにうまく捨てることは困難そうです。

 

また、今回のケースでは15時間下水が使えなくなっただけでしたが、それでも普通の生活にもどったあとはバタバタでした。避難用に準備した荷物の片付けや、下水への排水を避けるため控えていた茶碗洗いや洗濯物の処理に追われました。とてもくさい袋を破ってトイレに流そう、という気にはなりませんでした。

 

やはり、緊急用にレジ袋で対応するのは良いとしても、事前に備えができるなら、何かしら対策を取れればベストだと思いました』

 

排せつ物をレジ袋にするまでは可能ですが、その後のドロドロした大便+小便の処理は大変のようです。大きなジップ袋があればまだ臭いは良いのかもしれませんが、家族で使用することを考えると、すぐにいっぱいになってしまうでしょう。

また、避難状態で水も使えないことを考えると、レジ袋に排便する際、もらしたときには大変です。

災害のためにはトイレ用の凝固剤を準備しておいたほうがよさそうです。

 

〇自作できる凝固剤――ネコ砂を利用する


トイレの凝固剤の代用品として『猫砂』を利用することができます。

トイレの便座の中央部の水のたまった部分の上にポリ袋を一枚かぶせます(この袋はそのままの状態にするので、一度かぶせたら取り外しません)。

このポリ袋の上に、さらにポリ袋をかぶせ、中にネコ砂を入れておきます。この状態で用を足しても臭いがしませんし、便や尿が固まるので、ゴミを処分する際、楽に処分できます。しかし、用を足した猫砂をずっと放置していると臭いがでるので、用を足した後は消臭スプレーをうえからかけるとよいでしょう。スプレーよりも液体タイプのほうが臭いを長時間防ぐので、災害時のときのために常備しておいてもよさそうです。

 

〇それでも市販の凝固剤のほうが優秀な理由


 

災害用のトイレの凝固剤は、給水してくれるだけではなく、防菌・防臭効果があるものがあります。これは避難生活をするうえで非常に重要です。

 

→防菌タイプ・防臭タイプを見分ける方法

 

『防菌タイプ』『消臭タイプ』とパッケージに大きく書かれていなくとも、しっかり排せつ物の菌を分解してくれる凝固剤もあります。それを見分けるためには『成分表』を参考にしましょう。

『防菌タイプ』を見分けるためには成分表に微生物や食添用殺菌剤が入っているかどうかを見るとよいでしょう。また、『消臭タイプ』かどうかは活性炭が入っているかどうかをチェックします。

 

〇備えあれば患いなし


 

猫砂やレジ袋など、どうしてもトイレがないときの代用品はありますが、病気を防いだり、臭いをしっかり抑えるもの……と考えると、やはり災害トイレ用の凝固剤を準備しておいたほうがよいでしょう。

簡易トイレとセットで購入しておくことをおすすめします。

ちなみに、携帯トイレと簡易トイレの大きな違いは『便器があるかどうか』ということ。

高速道路走行中にトイレに行けないときなどは大きさを考えて、袋式の携帯トイレのほうがよいかもしれませんが、災害時の避難状態なら、トイレは家族みんなが落ち着いてできるように便器があるタイプのほうが安心です。

なかには、簡易トイレを購入せず、ゴミ袋と凝固剤だけ購入して、災害時にはゴミ箱にセットして用を足そう!と考える方もいるかと思いますが、便座がない場所で排便するのはなかなか難しいもの。

とくに避難所などの人の目があるところでは、トイレをするのも大変です。

しっかり足を踏ん張らないとふらふらして、最悪の場合転んでしまう危険があります。子供がトイレに失敗してし尿まみれになってしまった……!なんてことにならないためにも、簡易トイレはしっかり選びたいものです。

災害用トイレとしておすすめなのは、『たすけくん』という簡易トイレです。

こちらは浜松市、磐田市の各自治会や県立高校の災害備品として購入されている簡易トイレで、ダンボール製の組み立て式です。

組み立てる前は、高さ310㎜、幅280㎜、奥行き400㎜の長方形の箱になっており、持ち運びやすいように取っ手がついています。重さも女性が片手で持てる重さとなっています。大きすぎないので車に常に積んでおくのも良いと思います。

組み立てれば、200㎏もの重さに耐えるので、お父さんでも安心して使えますし、丈夫なので家族で何度も使うことができます。

価格は6回分の消耗品(処理用袋、消臭凝固剤)がついて2,160円。

避難所などの人の目があるところでトイレをする場合に備えて、目隠し用のコートも売られています。すっぽりかぶれば、外からは簡易トイレが見えなくなるので、安心して用を足すことができそうです。こちらの目隠し用コートは2,000円となっています。

 

『たすけくん』には消耗品だけのキットも売られています(処理用ポリ袋×10袋、消臭凝固剤×10袋、ポケットティッシュ10個で1,000円)。

災害用のトイレの凝固剤はただ便を固めればいいわけではありません。災害時には病気との戦いなので、

腸菌や黄色ブドウ球菌に感染するリスクを減らすためにも、防菌・防臭効果のある凝固剤を選ばなければならないのです・

数時間のおでかけの際に使う時ならばどんな凝固剤を使用してもかまわないと思いますが、災害時には、最低でも防菌効果のある者にしましょう。

災害時によく怒る、下痢や腹痛といった症状は体力の低下だけではなく、不衛生なトイレが理由でもあるのです。そのまま症状が進むと、腎不全や脳浮腫による意識障害やけいれんを引き起こすこともあるので注意が必要です。

また、避難所などの人の多いところで簡易トイレを使用する場合、臭いも気になるもの。『たすけくん』

についている凝固剤なら、消臭・防菌効果のあるものなので安心です。

安すぎるポリ袋を使うと、使っているうちにやぶける可能性もあるので、袋もできれば『汚物用』に使えるものを使いたいです。備えあれば患いなし。3点セットで1,000円なので、いざというときのために買っておくと心強いです。