非常用に準備しておきたいトイレセット。災害への理解を深めよう

防災用ダンボール

大規模な自然災害が起こった時、本格的な救援活動が開始されるまで3日は見ておく必要があるといわれています。

3日間生きのびるために、必要なもの―――それは『飲料水』と『簡易トイレ』です。

缶切りやマッチ、衣類、毛布、下着、懐中電灯、携帯ラジオ……。

災害時に「あったら便利」なものはいっぱいありますし、防災グッズ系のサイトを見ると、いろんな商品が紹介されています。

でも、必要最低限、絶対に欲しいものを挙げるなら、私は『簡易トイレ』と『飲料水』をあげます。

【目次】
飲料水が絶対に必要な理由
備蓄すべき水はどのくらい必要?
災害が前もって分かる場合にはお風呂に水をためよう
なぜ簡易トイレが必要なのか
簡易トイレの選び方
緊急用簡易トイレを用意するなら
災害に備えて私たちができること
おわりに

スポンサーリンク

〇飲料水が絶対に必要な理由

私たちの体の半分以上は水分でできています。

水は生命を維持するためにたくさんの役割を持っています。

私たちの体の中を循環している血液。

これは酸素や栄養素を各臓器へ送っています。

そして体内に溜まった老廃物を尿として排泄します。

水分を体に入れなければ、あっという間に体はおかしくなってしまいます。

体重の2%の水分が失われれば、食欲が低下。6%でひどい頭痛が起こり、10%失われれば意識障害や腎不全など、重大な障害が起こります。

災害が起これば、ただでさえ心が休まりませんから、ストレスで体調を崩しやすくなります。

そんなときに水も飲めなければ、生死にかかわります。

とくに子供と高齢者は汗や呼吸によって失われる水分が大濃いので、注意が必要です。

脱水症状になっていることに気づかず、気が付いた時には……という恐ろしいケースもあるのです。

〇備蓄すべき水はどのくらい必要?

大人は1人3ℓの水が必要と言われています(食べ物に含まれる水分も含めて)。

水は飲料水のほかにもトイレや歯磨き、食事のかたづけなどに使うので、家族の人数×3ℓの水×3日分を備蓄することが望ましいです。

また、ペットを飼っている場合は、ペット用の水や食料も忘れずに確保しましょう。

救援物資が届いても、ペットの分は支給されません。

ドッグフードやキャットフード、トイレシーツなどを多めに買っておき、保管しておきましょう。

〇災害が前もって分かる場合にはお風呂に水をためよう

地震の予測は難しいものの、大雨や台風などの災害は前もって知ることができます。

災害の予報を耳にしたら、家のお風呂に水をためておくとよいでしょう。

洗濯やトイレに使用する生活水はお風呂に貯めたお水で十分役割を果たせます。

〇なぜ簡易トイレが必要なのか

「飲料水が必要不可欠なのは分かるけど、簡易トイレはそんなに重要……?」そう思われる方は多いと思います。

私たちの生活において、トイレは当たり前にあるものなので、トイレがない生活は想像しづらいもの。

トイレがなかったとしても、ビニール袋に用を足したり、「また水が流れるまでトイレの便器に貯めて置けばいいや……」と考える人は多いようです。

しかし、実際に災害に遭われた方は、「トイレが欲しかった」と口々に答えます。その理由は以下のとおりです。

 

・換気扇を回せないので、トイレに便をするとひどい臭いがリビングまで充満する。

家族で避難していた場合、家族分の便がでるだけではなく、自分のもの以外の便の臭いを常に嗅がなければいけないので地獄。

食欲がなくなり、トイレにできるだけいかないように水を飲みたくなくなる

 

・仮設トイレが作られても、みんなが押し寄せるので常に長蛇の列。

仮設トイレには段差もあり、暗いので、便や尿が飛び散り、中は非常に汚くなる。

利用しようと中に入ると、ズボンのすそが尿や便で汚れる。

しかし、水が出ないので足元を洗うこともできない。

仮設トイレの周りは非常に悪臭で近寄るのもためらうほど……。

 

どうでしょう。この状況を聞いただけで吐き気がこみあげてきませんか……?

自分の便の臭いだけでも耐えがたいというのに、家族だったり、まったく知らない人の便の臭いをずっと嗅いでいなければいけないことを考えると、恐ろしいですよね。

このような場面に直面すると、人は水分をとらないようにぐっと我慢をしてしまいます。

せっかく飲料水があっても、無駄になってしまうのです。

水を飲んで体の中で循環させて排泄する。そのために、簡易トイレは必要不可欠となります。

〇簡易トイレの選び方

簡易トイレとは、小さめの便器があるトイレで、中にビニール袋をセットし、便をしたら上から凝固剤を振りかけて使います。

用を足したら、ビニール袋の口を縛り、可燃ごみに出します。

簡易トイレは、丈夫で(災害が終わったら)使い捨て出来るもの。

凝固剤は、消臭効果がしっかりあり、防菌効果もあるものが理想です。

『防菌タイプ』『消臭タイプ』とパッケージに大きく書かれていなくとも、しっかり排せつ物の菌を分解してくれる凝固剤もあります。

それを見分けるためには『成分表』を参考にしましょう。

『防菌タイプ』を見分けるためには成分表に微生物や食添用殺菌剤が入っているかどうかを見るとよいでしょう。

また、『消臭タイプ』かどうかは活性炭が入っているかどうかをチェックします。

〇緊急用簡易トイレを用意するなら

簡易トイレはプラスチック製のものもありますが、災害が収束したら捨てるのが衛生的です。

次の災害用にまた洗って長期保存しておくより、ダンボール製で組み立て式のものだと持ち運びも簡単なのでおすすめです。

ダンボール製品というと、「すぐに壊れちゃいそう」「ちゃっちそう」と思われるかもしれませんが、大人が1週間使ってもまったく問題ありません。

災害時の対策として、ひとつ携帯式の簡易トイレを購入しておくと安心だと思います。

 

災害用トイレとしておすすめなのは、磐田市の各自治会や県立高校の災害備品として購入されている『たすけくん』という簡易トイレです。

組み立てる前は、高さ310㎜、幅280㎜、奥行き400㎜の長方形の箱になっており、持ち運びやすいように取っ手がついています。

重さも女性が片手で持てる重さとなっています。

大きすぎないので車に常に積んでおくのも良いと思います。

組み立てれば、200㎏もの重さに耐えるので、お父さんでも安心して使えますし、丈夫なので家族で何度も使うことができます。

価格は6回分の消耗品(処理用袋、消臭凝固剤)がついて2,160円。

避難所などの人の目があるところでトイレをする場合に備えて、目隠し用のコートも売られています(目隠し用コートは2,000円となっています)

 

6階では不安という方の声を反映し、『たすけくん』には消耗品だけのキットも売られています(処理用ポリ袋×10袋、消臭凝固剤×10袋、ポケットティッシュ10個で1,000円)。

トイレの凝固剤を用意するときにはその効果にも十分に注意しましょう。

凝固剤の中には、ただ便を固めるだけのもの。

防臭効果や防菌効果のあるものもあります。

災害時には、ちょっとした病気も命とりなので、最低でも防菌効果のあるものを選びましょう。

災害時には病気にかかりやすくなります。

下痢や腹痛といった症状はたいしたことのないように思えますが、体力の低下している災害時には治りにくくなっています。

そのまま症状が進むと、腎不全や脳浮腫による意識障害やけいれんを引き起こすこともあるので注意が必要です。

防菌効果のある簡易トイレは、腸菌や黄色ブドウ球菌に感染するリスクをぐっと減らすことができます。

また、避難所などの人の多いところで簡易トイレを使用する場合、臭いも気になるもの。

『たすけくん』についている凝固剤なら、消臭・防菌効果のあるものなので安心です。

安すぎるポリ袋を使うと、最悪の場合、やぶける可能性もあるので、袋もできれば『汚物用』に使えるものを使いたいですよね。

備えあれば患いなし。

3点セットで1,000円なので、いざというときのために買っておくと心強いです。

〇災害に備えて私たちができること

日本は世界有数の地震国。台風や大雨のように「明日は気を付けましょう」と警告されることもないため、災害の対策をしにくいものと思われがちですが、日ごろからちょっとしたことに気を付けるだけで、地震の被害を軽減させることができます。

 

・持ち出し袋を準備する

大規模な地震が起こった場合、電気・ガス・水道は高確率で停止してしまいます。

私が東日本大震災に遭った時には、電気もガスも水道も止まってしまいました。

スーパーの中も薄暗く、皆スーパーに大行列を作って、食べ物を買いにいきました。

まだスーパーが食料品を売ってくれればよいですが、道路の断裂などで救援物資が届かない状況が長く続くと、スーパーも売るものがなくなってしまうことが考えられます。

人は水さえあれば食べ物を食べなくても一か月近く生きていけるとは言われていますが、家族に小さい子供や要介護者がいたら、不安になってしまいますよね。

そのため、水と簡易トイレが準備できたら、すぐに食べることができるビスケットやチョコレート、缶詰をはじめとした食料を準備しましょう。

懐中電灯・携帯ラジオ・衛生用品などの防災グッズを日ごろからまとめておき、持ち出し袋のなかに入れておけばなお安心です。

しかし、持ち出す荷物が大きすぎると荷物に火が燃え移ることもあるので注意が必要です(関東大震災の時には激しい火災が起こり、盛りだした荷物に火が燃え移ったことで火災被害が拡大したと言われています)。

リュックで背負えるくらいの荷物にまとめておいたり、車に積んでおきましょう。

 

・室内の地震対策をしておく

 

我が家では地震対策をなにもしていなかったので、東日本大震災が起こった時には、家具がみな転倒し、倒れた家具によって窓ガラスが割れました。

運よく、そのときに私は家の外にいたのでよかったのですが、犬が家の中にいたので、泣きながら家に帰りました(犬は元気にカーテンの後ろから出てきてほっとしました……)。

このように大地震が起こった時、「運がよかった」「運が悪かった」で済まさないためにも、日ごろから大型の家具はしっかり固定する。

窓には飛散防止フィルムを張る。高いところにものを置かないなどの防災対策を行いましょう。

 

・ガラスの飛び散りを防止する――飛散防止フィルム

https://item.rakuten.co.jp/lock110/527222/?iasid=07rpp_10095___ec-k6w1dceo-8twt-fa7a2db8-c345-4902-bc8c-c8ff676f1719

【180cm×96cm】UVカット! 飛散防止フィルム HBF-9618N アイリスオーヤマ 窓ガラス 食器棚 ガラスケース 防災グッズ 地震対策 災害対策 飛散フィルム

価格 1,380円

レビュー平均評価★4.25

『防災用に思い切って買いました。

貼り方も思った程難しくなく、説明書通りにやれば誰でも貼れます。ただ大きい面積を貼る場合は2人で手分けしてすると失敗しないでいけます。

あとは貼る前にしっかりガラス面をきれいにして、業務用のゴム製のスクイジーがあるとすっきり汚れがとれてほこりも防げます。

あとは貼る直前にガラス面と粘着面の両面をしっかり水を吹きつけてあげれば貼ったあとで多少の位置調整は出来ます。

濡れているうちでしたら貼り位置が気に入らなければはがしてやり直せます。

その場合は誰かに手伝ってもらうのがいいですね、夏場は水分は乾き易いので手早くするのがいいです。一度に大量に切って貼りたい時は、シートの裏面にマジックで貼る場所や何枚目とか印をすると間違えないで貼れます。

貼る面積に対してピッタリじゃなく5~10mmくらい小さくして貼ってもそれほどわかりません(以後、省略)』

 

・家具の転倒を防止する――つっかえ棒

https://item.rakuten.co.jp/lock110/248060/?iasid=07rpp_10095___dx-k6w1gc2f-2t-2d544649-5599-467e-8b36-eaf2a14696b1

【2本セット】家具転倒防止伸縮棒 SS KTB-23(取り付け範囲 23~30cm)ホワイト転倒防止用 アイリス つっぱり棒 転倒防止 突っ張り棒 地震 耐震対策 つっぱりポール 強力 地震対策 防災グッズ 家具転倒防止棒 食器棚 冷蔵庫 ロッカー アイリスオーヤマ

価格 1,580円

レビュー平均評価★4.51

『家具と天井に接する台座の様な部材とその間の長さ調節可能な棒状のセット2本分が入っています。

一つ気をつけなければならない事は、棒状の端を台座に差し込むをきっちり行う事です。

差し込みが甘い事に気付かずに設置してしまい、確認時なにギシギシとこの商品から音がして気づきました。

長さを調整する際にバーに先の尖ったネジをねじ込み穴を開けながら差し込み固定しますのでやり直しはできますが、何度もやり直しバーに穴を複数開けてしまうと強度が落ちそうです。

これから購入設置する方はご注意ください。

本棚と食器棚がある程度の地震での転倒防止に役立つくらい固定できましたので、満足しています。

こちらのショップでの購入ですが、引越しで天井までの採寸してすぐに注文し翌日には手元に届きすぐに設置でき安心できましたので、感謝しています。

〇おわりに

災害への対策をしているかどうかで、大きな災害が起こった時の被害ががらりと変わります。

いざ災害に遭った時、「死ぬ思いをした」とならないためにも、日ごろからできることをしていきたいですね。

Privacy Preference Center

タイトルとURLをコピーしました